確率分布の期待値と分散を計算する
確率の勉強をしたので出力。
今回の目的
色々な分布の確率母関数と積率母関数から、期待値と分散を求める。
確率母関数
sを絶対値が1以下の変数とした時、確率母関数は、
で定義される。
非負整数離散値を取る確率分布において使用される。
モーメント
確率変数の乗の期待値をk乗モーメントと呼ぶ。
1乗モーメントは期待値そのもの。
2乗モーメントは、分散を求める時に使うアレ。
分散は1乗モーメントと2乗モーメントから求めることができる。
また、2の階乗モーメントは以下で定義できる。
階乗モーメントは、2乗モーメントと1乗モーメントの差に分解できる。
したがって、分散は階乗モーメントと1乗モーメントからも、求めることができる。
確率母関数と階乗モーメント
確率母関数から階乗モーメントを求めることができる。
確率母関数ってすごい!
具体的には、を代入する。
は、0乗モーメントを表す。
(0の階乗モーメントと0乗モーメントは一致する)
1階微分への代入は、1乗モーメントを表す。
(1の階乗モーメントと、1乗モーメントは一致する)
2階微分への代入は、2の階乗モーメントを表す。
よって、確率母関数より期待値・分散が求められる。
期待値:
分散:
積率母関数と冪乗モーメント
積率母関数から冪乗モーメントを求めることができる。
積率母関数ってすごい!
具体的には、を代入する。
(でだから、確率母関数への操作と一致している)
は、0乗モーメントを表す。
1階微分への代入は、1乗モーメントを表す。
2階微分への代入は、2乗モーメントを表す。
よって、積率母関数より期待値・分散が求められる。
期待値:
分散:
色々な確率分布の期待値と分散を求める
それでは求めていこう。
2項分布
の確率関数は、
確率母関数は、
1乗モーメントは、
2の階乗モーメントは、
以上より、期待値・分散は、
期待値は、分散は
負の2項分布
の確率関数は、
確率母関数は、
1乗モーメントは、
2の階乗モーメントは、
以上より、期待値・分散は、
期待値は、分散は
まとめ
我々がよく知っている結果と一致した。
こういうのスカッとするね。
確率母関数・積率母関数から期待値・分散を計算することができるということが実感できた。
後日、もう少し複雑な確率分布に関しても計算してみる。