確率分布の期待値と分散を計算する②(ガンマ分布)

t.co

上の続き。

目的

確率母関数や積率母関数から、確率分布の期待値と分散を計算するという趣旨。

今回は、ガンマ分布。

ガンマ分布

正の実数aに対して、ガンマ関数は、以下で定義される。

Γ(a)=\int_0^\infty x^{a-1}e^{-x} dx

ちなみに、Γ(1)=\int_0^\infty x^0e^{-x} dx=\int_0^\infty e^{-x} dx=1

Ga(ν,α)確率密度関数は、

f(x)=\dfrac 1{α^νΓ(ν)} x^{ν-1}e^{-x/α}, x>0

積率母関数は、

φ(θ)=\int_0^\infty e^{θx}\dfrac 1{α^νΓ(ν)} x^{ν-1}e^{-x/α} dx

=\int_0^\infty \dfrac 1{α^νΓ(ν)} x^{ν-1}\exp(\dfrac {-x}α+θx) dx

=\int_0^\infty \dfrac 1{α^νΓ(ν)} x^{ν-1}\exp(\dfrac {-x}α(1-αθ)) dx

\dfrac xα(1-αθ) \rightarrow yと変数変換して、

φ(θ)=\int_0^\infty \dfrac 1{α^νΓ(ν)} (\dfrac {yα}{1-αθ})^{ν-1}e^{-y} \dfrac α{1-αθ}dy

=(1-αθ)^{-ν} \int_0^\infty \dfrac 1{Γ(ν)} y^{ν-1}e^{-y}dy

=(1-αθ)^{-ν}

1乗モーメントは、

φ'(θ)=να(1-αθ)^{-ν-1}

\Rightarrow φ'(0)=να

2乗モーメントは、

φ''(θ)=ν(ν+1)α^2(1-αθ)^{-ν-2}

\Rightarrow φ''(0)=ν(ν+1)α^2

以上より、期待値・分散は、

E(X)=φ'(0)=να

Var(X)=φ''(0)-φ'(0)^2=ν(ν+1)α^2-ν^2α^2=να^2

期待値はνα、分散はνα^2

感想

ただ計算していくだけでも、なんか達成感あるね。

超幾何分布とベータ分布についてもやりたかったんだけど、

調べても、「確率母関数(積率母関数)は複雑な形状をしており有用ではない」

しかなくて導出を諦めた。